ひらの園

ひらの園について

歴史が紡ぐお茶

日本一の深蒸し煎茶の産地「静岡県掛川市」で、 明治28年より120年以上続くお茶の自園、自製農家です。
強みはもちろん「小さい」ことです

ひらの園は個人農園で、家族で畑での生産管理、製茶工場での製造、そして販売までを一貫して行なっています。農繁期に少し人手を借りる程度で、ほとんどの作業を家族で行っています。
生産量は限られますが、小さいと全てに目が届くことが強みになると考え、現在は四代目、五代目が中心となり日々お茶と向き合っています。

ひらの園のお茶は『農園茶』です。

日本茶の流通経路は少し複雑で、一般に販売されているほとんどのお茶は、様々な産地の様々な生産者のお茶がブレンドされています。しかしひらの園のお茶は、ひらの園で生産したお茶の葉だけを100%使っています。
さらに生産(畑)だけでなく製造(加工)、販売までを一貫してひとつの生産者(農家)が行っているお茶が、全国でも数が少ない「農園茶」といわれるお茶です。

なぜほとんどのお茶はブレンドされているのか

コンビニやスーパー、お茶屋さんで売られているお茶は、複数の組織や農家が生産した生葉を原材料にして作られたお茶です。

その特徴はなんといっても「いつも変わらない味」として、安心して買える事。お茶という「商品」を安定させる事を重視し、いつ飲んでも味はほとんど同じに感じられます。しかし、実際はお茶も他の農作物と同じように、年によって育つ環境は当然変わるので、100%同じ味のものは絶対に作れません。それをいつも同じ味に調整しようと、人の力で試行錯誤して作り出します。その為、ブレンドされた茶は「工業製品に近いお茶」という言い方もできると思います。

しかし、反面、複数の産地や農家が混ざる為にお茶の味は「平均的な味」になります。原料となる茶葉の品質は、農家の生産技術や畑への投資、労働力や経営状況によりピンからキリまであります。茶専門農家として1年中、畑を管理している農家もあれば、定年後に趣味程度で低コスト管理しているケースもあります。しかし原料となる茶葉は基本的に「品質」より「相場」に片寄ったウエイトで売買されています。市場に出るのが早ければ早い程高値で取引され、遅くなれば良い品質でも安くなっていく。タイミングや需要と供給のバランスで当たり前と言えば当たり前なのですが、現在の一般的な市場では、茶農家が品質の良いものを生産しても必ずしも品質に似合った価格で取引されにくいのが現状です。

またブレンドすることで平均的になりがちなお茶に個性や差を出そうと、人が後から手を加える「火入れ」を強くして、「火香」に頼ったお茶となる事が多くなります。
その結果よく耳にするように、何処のお店やスーパーで購入してもそれほどお茶の違いが分らないという事になります。ただ、いろいろな種類のお茶をブレンドすると味に深みが増しおいしくなる事もありますので、そのあたりは何とも言えない部分でもあります。自然のそのままの力を、人間の力で伸ばす事は消費者にとっても良いことですから。

農園茶とは

ひらの園のお茶はこちら「農園茶」のタイプです。
主に家族経営などで一軒の茶農家が畑での栽培から、自分の工場での製造、中には販売までを一貫して行なっています。規模は小さく、生産量も限られていますが、その土地の環境や園主の技術、考え方や人柄などで『農園の個性』がお茶に出る事が最大の特徴で、畑ごとのお茶の品質まで把握しています。商品をさかのぼって行くと一軒の茶農家、そして一人の生産者に辿りつくお茶です。

農園茶の特徴

主に茶農家直売で、全国各地にその数は限られますが、作り手がいます。土作りや施肥のこだわり、栽培管理、製茶方法などについて園主の考え方がお茶に反映されています。また近年では、流通の変化にともない、農家自身が畑での生産から販売までを行なう事で、常にお客さんを意識している為、毎日の仕事への『ちょっとした意識の差』が高く、商品に『作り手としての想いがこもっている』のが特徴の一つでもあります。お客さんからみても、作り手が見える事での安心感が最大の魅力です。

しかし反面、栽培はお天道様任せで、自然に委ねる部分も多く、多くの農作物と同じように毎年味は少しずつ変化し、ワインのように当たり年、外れ年の差が出来やすいというデメリットもあります。例えば、新茶を購入したら「あれ?去年と味がちょっと変わった?」なんて事もない事ではありません。毎年が限定商品になり、もう一度あの年のあの味が飲みたいと思っても手に入りません。また小規模なので、生産量が限られるので欲しいのに手に入らない事もあります。

ただ、お茶の品質に関しては良い事が多いと思います。なぜなら単一農園は、代々継承されてきたノウハウや、長い時間をかけて畑の環境作りや土作りがしっかりとされてきた畑の「地」の力、工夫を積み重ねてきた工場、そして自分で生産したものを自分で考えながら製造する事を長年積み重ねる事で初めて得られる「人」の力があるからです。品評会などで、大勢の力を結集していいお茶を作るのは感覚的に理解できると思いますが、トップクラスのお茶を作る単一農園の農家も多いのは注目すべきところです。

ただ、跡取り問題や工場の機械投資、経営力、労働人数、その他いろいろな事情で、代々継承していくのは非常に困難で、今後ますますその数は減っていく傾向にあり、昨年まで買えたお茶が急に買えなくなる事もよくあります。ブレンド茶に比べてそのあたりも非常に不安定です。

また、余分な流通経路を挟まない為中間コストがほとんどなく、品質に対する価格はブレンド茶よりもぐっとお値打ちになります。ただ、一般的にブレンド茶と比べると流通量が非常に少ない為、出会う機会も少ないので、そもそも農園茶のことを知らない方の方が多いのも現状です。

茶農家として伝えたいことは「わざわざ急須を使ってお茶を淹れる意味」です

本当に美味しいお茶が飲みたい!と思ったら、やはり「急須で淹れる緑茶」です!お茶は昔も今も、基本的には急須で淹れるように作られているからです。「作り手」の想いを引き出す不思議な道具が「急須」なのです。

ひらの園のような「単一農園」のお茶は「地域」の個性に加え、「作り手」の個性があります。そしてお茶は農産物なので、一度として全く同じ味になる事はありません。毎年がその年限定のお茶の味になります。まさに、その年の天候やその土地の風土、作り手の技術や情熱といった「天」「地」「人」でお茶の味の個性はできているのです。そんな「単一農園」のお茶は急須で淹れる事で「違い」が見つかります。その違いに気づいてもらえたら一人の茶農家としてうれしいのです。

ホッと一息いれませんか?おいしいお茶と和菓子で。

『お茶』が主役ではなく、『人』が主役。
あくまで主役はお客さんや家族やパートナー、作り手や伝え手などの「人」なのです。そんな人と人との空間を演出するのが「急須で淹れるお茶」です。

そしてお茶は会話の潤滑材でもあります。
急須を使って、わざわざお茶する事によって人と人が話す。そうする事で幸せな気持ちになったり、元気をもらったりするのです。人と人の間にお茶があることで、会話をする事で心がスッキリする。これがお茶の本当の力です。急須にお湯を注いで待っている時間こそ会話のチャンスです。
しかも日本茶は、中国から茶が伝わったあと日本で独自に発展して作られるようになった、いわば日本にしかないお茶、日本にしかない特別な「たのしみ」なのです。

ひらの園の直売処「吾屋」

ひらの園のお茶を知っていただく場として、お茶畑と製茶工場の間に小さなお店『吾屋(ごや)』を設けました。生産農家がお客様に直接お茶をお届けする事で、一枚の生葉、一杯のお茶に対する責任を常に意識しながら仕事をすることに繋がります。
この「意識の差」はとても小さな事ですが、とてもとても大きな事でもあります。自らの手でお茶をお伝えすることで「お客様」「お取引先様」「生産者」の全てにメリットが生まれる事になるとひらの園では考えています。 一杯のお茶で少しでもリラックスし「一服」できる時間を過ごす小さなお手伝いができれば幸いです。

園主のご紹介

四代目 平野孝雄 Takao Hirano
1955年静岡生まれ。
農業高校茶業課を卒業後、茶業一筋40年。
趣味「茶畑」「DIY」「木の実アート」「ギター」
好きな言葉:一生懸命
五代目 平野昇吾 Shogo Hirano
1981年静岡生まれ。大学卒業後、サラリーマン生活を経て2008年にお茶の世界に入る。
2009年に沼津の自園自製自販の茶農家「山二園」の後藤さんの元で半年間の住み込み研修をしたのち、四代目の元で8年間茶農家の修行。2016年10月よりひらの園の五代目園主となり現在に至る。
・日本茶インストラクター(14-3391)
・静岡県茶手揉保存会 教師補(1150号)
趣味は「登山」
登った山:槍ヶ岳、富士山、燕岳、屋久島ほか

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