ひらの園のこだわり
すべてのお茶が「一番茶」
お茶は年間を通して数回、収穫できます。もっとも味がのって上質なのは、4月下旬~5月上旬に摘採する「一番茶」。この時期のお茶は「新茶」として販売されます。
お茶業界では様々な時期に採れたお茶をブレンドして商品化するのが一般的で、一番茶のみの商品は珍しいので「新茶」としてプレミアをつけて販売されますが、ひらの園は、生産農家である強みをいかし、すべての商品を一番茶のみで作っています。
お茶が一年で一番美味しい時期の葉っぱだけを使っています。
自分たちのお茶を、自分たちで、製茶
一般的に売られているお茶は、製茶する段階や商品化する際に多くの農家さんの葉が混ざり合います。また製茶作業は生産者本人ではなく別の方が行うことがほとんど。そのため農家ごとのお茶の味、畑ごとのお茶の味などは表現されなくなります。
ひらの園は個人で製茶工場を持っているため、自分で摘採した生葉をそのまま自宅敷地内にある茶工場で製茶しています。摘採のタイミングを揃えることができ、またいま目の前にある葉が、どの畑のもので、どういう状態か分かった状態で製茶できます。そのためブレの少ない「ひらのさんの畑」の味が表現されたお茶を作ることが出来ます。
自家製堆肥と、循環型農業
堆肥も自家製で作っています。
知り合いのコメ農家さんから廃棄される「もみ殻」「米ぬか」また近くのキノコ工場から廃棄物として出る「キノコの菌床」、そして畜産農家さんから出る「牛ふん」を譲り受けて堆肥にし、循環型農業を実践しています。
またイチゴ栽培で出る「間引いた葉」「間引いた実」、商品にできない「傷んだ実」なども堆肥へ。農業で出る生ごみの大幅な削減に役立つほか、日常の生ごみなども役立てることができます。
自宅横の堆肥場で作っており、何度も混ぜ返して空気を入れると、堆肥内の温度が最高80℃近くまで上がります。これを1年かけて繰り返し、夏場にすべての茶畑の畝に入れます。この堆肥を土づくりの土台にしています。
農薬を節減して栽培
一番茶の農薬使用は県規準の1/6程度に抑えて、農薬は強すぎないものを選んでいます。美味しさと安全のバランスを考え、必要最低限の種類と量だけを使っています。
茶は常緑樹なので一年中、葉が茂っています。新芽が出る前の親葉や樹体に使います。
また「新芽」が出てからは使用しないため、お客様の口に入る葉っぱには直接かかっていません。できる限り安心して飲んでいただけるお茶を心掛けています。
茶草場農法
世界農業遺産にも認定された茶草場農法も長年、実施しています。
茶畑の脇にあるススキなどを秋に刈り取って束ね、乾燥させ、茶畑の畝間に入れます。
この「茶草」が茶畑の保温・保湿になり、有機物が投入されることによって土の栄養となり、それがそのままお茶の栄養につながります。
また草が刈り取られた場所は適度に人の手が入ることにより、生存競争に強いものだけでなくさまざまな動植物が生息することができ、里山の豊かな生物多様性の保存につながります。世界農業遺産に認定された茶草場農法の特徴の一つです。